美容機器の耐用年数はどれくらい?減価償却についても紹介 - 美活コラム

BEAUTY COLUMN 美容機器の耐用年数はどれくらい?減価償却についても紹介

公開日 2023.11.30更新日 2024.09.14

美容機器の耐用年数はどれくらい?減価償却についても紹介

エステに用いる美容機器を購入する際に欠かせないのが、耐用年数の考慮です。
耐用年数は、経理に影響を及ぼす減価償却という会計処理にも関わってくるので、正しく理解しておかなくてはなりません。

そこで今回は、美容機器の耐用年数とともに、減価償却についても解説していきます。
サロンの新規開業や、機器の入れ替えをご検討中の経営者様は、ぜひ参考にしてください。

耐用年数と耐久年数の違い

機器の使用可能期間を示す指標として、耐用年数と耐久年数があります。
同じ意味合いのように思えますが、その期間を定める根拠が異なるので、まずは耐用年数と耐久年数の違いについて理解しておきましょう。

耐用年数

耐用年数とは、国税庁によって定められた、資産を使用できる期間の目安を指します。
使いつづけると価値が失われていく資産が対象であり、その種類に応じた年数が定められています。
後述する減価償却の処理のために便宜上決められた年数なので、必ずしも実際の使用可能期間と等しくなるわけではありません。

耐久年数

一方で、機器や設備の製造元が、独自に定めた使用可能期間の目安が、耐久年数です。
その判断基準はメーカーによって異なるので、同じような機能を備える機器でも、耐久年数に差が出ることは珍しくありません。
また、あくまでも目安として設定されているだけなので、実際の使用期間が耐久年数よりも長くなることも、短くなることもありえます。

 

なお、こちらは減価償却の処理には用いることができません。
減価償却を正しく行うためには、耐用年数のほうを把握しておく必要があります。

関連記事:エステサロンの開業に必要な準備・流れと利用できる助成金を紹介

エステで使用する美容機器の耐用年数はどのくらい?

エステで使用する美容機器の耐用年数は、どれほどの期間になるのでしょうか?
国税庁が提示する耐用年数表によると、美容機器は「理容・美容機器」に分類され、その耐用年数は5年と定められています。

 

エステサロンの運営には、美容機器以外にもさまざまな機器や器具が必要です。
以下にそれらの耐用年数も整理したので、ぜひご活用ください。

 

【エステサロンの運営で必要な機器・器具の耐用年数の一例】

品目 耐用年数
美容機器 5年
施術用のベッド 8年
接客用の家具 5年
レジスター 5年
事務用のパソコン・タブレット 4年
冷蔵庫 6年
洗濯機 6年
エアコン 6年
金属製の装飾品 15年
その他の装飾品 8年

なお、先に説明した通り耐用年数は「実際に使用できる年数」ではありません
ですので、業務に支障なく使用できる期間がどれほどになるのかは、耐久年数を参考にすることをおすすめします。

関連記事:セルフエステサロンは儲かる?開業するメリットやリスクとは

参照元:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」

減価償却とは

耐用年数について把握できたところで、ここからは減価償却の概要を解説していきます。減価償却は、高額な資産の購入にかかった費用を、一度にまとめて経費計上するのではなく、その資産の耐用年数ぶんにわたって計上していく制度です。

たとえば、美容機器を500万円で購入したなら、毎年100万円ずつ、耐用年数である5年で合計500万円になるように経費計上していきます。

減価償却費として計上する理由

資産の購入にかかった費用を、減価償却費として計上するのはなぜでしょうか?

先ほどの例において、500万円を減価償却費として計上しない場合、その年は美容機器を購入しなかった年と比較して、大幅に経費が増えることになります。
売上から諸々の経費を引いた金額が利益になる以上、経費の増加は利益の減少と同義
です。
そうなると、そのエステサロンが十分に集客できていて、実態としては非常に好調だったとしても、経理上は経営状況が悪いという判断になってしまいます。

 

実際の業績と経営状況の乖離の発生を防ぎ、企業の利益を正確に把握するためにも、資産の費用は減価償却費として、何年かに分けて経費計上する必要があるのです。

 

関連記事:美顔器の価格相場は?価格に影響する要素や中古品の買取相場

減価償却費の計算に必要な2つの要素

減価償却費を正確に計算するためには、以下の2つの要素が欠かせません。

①取得価格

取得価格は、資産の購入価格と、購入に付随して発生する費用を合計した金額を指します。
付随する費用として挙げられるのが、運送費、荷役費、手数料、保険料、設置費などです。
たとえば美容機器の場合は、本体の購入費用にくわえて、店舗までの運送費や指定の場所への設置費なども取得価格に含まれます。

 

資産本体の購入費用だけでは取得価格にならないので、ほかにどのような費用がかかったのかも、必ず把握しておきましょう。

②法定耐用年数

法定耐用年数は、耐用年数そのものです。
すでにご説明した通り、国税庁によって画一的に年数が定められているので、基本的にはそちらに従って減価償却費を計算します。

 

関連記事:【最高傑作】MetaLTの機能や効果、リアルなレビューを徹底解説

 

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美容機器の購入費用を減価償却で計上する際の計算方法

減価償却費の計算方法にはいくつか種類がありますが、メジャーなのは「定額法」と「定率法」の2つです。
どちらの方法でも、最終的な経費計上額は同じになりますが、年度ごとの減価償却費には違いが生じます。

 

ここからは、定額法と定率法の違いを説明したのちに、美容機器を500万円で購入した場合を例に挙げて、それぞれの方法の計算過程を解説していきます。

定額法と定率法の違い

定額法は、その名前の通り、毎年同じ金額で減価償却費を計上する計算方法です。

それに対して、定率法では毎年一定の割合で減価償却していきます。
この一定の割合は「償却率」とよばれ、耐用年数に応じた値が国税庁によって定められています。
耐用年数が5年の美容機器の償却率は、40%です。

 

なお、毎年一定の割合で減価償却するので、未償却残高の減少にしたがって、費用計上額も年々少なくなっていきます。

参照元:国税庁「減価償却資産の償却率等表」

定額法の計算式

美容機器を取得価格500万円で購入した場合、定額法では、年度ごとの減価償却費を以下のように計算できます。

計算式:500万(円)÷5(年)=100万円/年

 

【年度ごとの減価償却費】

1年目 100万円
2年目 100万円
3年目 100万円
4年目 100万円
5年目 100万円
合計金額 500万円

このように、毎年の計上費が簡単に割り出せるのが定額法のメリットです。
なお、定額法か定率法かにかかわらず、6年目以降も美容機器を使用しつづける場合は、残存簿価として1円だけ残しておく必要があります。

定率法の計算式

同じ条件で定率法を用いた場合の計算は、以下の通りです。

償却率:40%

 

【3年目までの減価償却費】

1年目 500万×0.4=200万円
2年目 (500万―200万)×0.4=120万円
3年目 (300万―120万)×0.4=72万円

一見、特に問題ないように思えますが、償却率が40%のままだと、減価償却費の逓減速度が年々遅くなり、減価償却の処理が耐用年数よりも長い期間続いてしまいます。

 

【償却率40%の場合の4~6年目の減価償却費】

4年目 (180万―72万)×0.4=43.2万円
5年目 (108万―43.2万)×0.4=25.92万円
6年目 (64.8万―25.92万)×0.4=15.552万円

ここで必要になるのが、償却費として確保するべき金額の基準である、「償却保証額」です。
償却保証額は、資産の取得価格に、国税庁の定める保証率をかけて算出することができます。
今回の例だと「500万×0.108(保証率)=54万円」となるので、償却保証額は54万円です。

 

毎年の減価償却費は、この額を下回らないように設定しなくてはなりません。
4年目の減価償却費は、すでに計算した通り43.2万円なので、この時点で償却保証額を下回っているとわかります。

 

このような状況になった場合は、もとの償却率ではなく「改定償却率」を用いて減価償却費を計算します。
改定償却率も資産の耐用年数によって決まり、美容機器であれば50%です。
また、改定償却率によって算出された償却費は、その年度以降も適用が続きます。

 

上記を踏まえて、定率法で改めて計算した結果が以下となります。

償却率:40%
改定償却率:50%

 

【年度ごとの減価償却費】

1年目 500万×0.4=200万
2年目 (500万―200万)×0.4=120万
3年目 (300万―120万)×0.4=72万
4年目 (180万―72万)×0.5=54万
5年目 54万円
合計金額 500万円

定率法のメリットは、美容機器の購入年度に多額の減価償却費を計上できるぶん、会計上は所得を抑えられ、節税につながるという点です。
ただし経理の処理は複雑になるので、手間がかかり、かえって人件費がかさんでしまうおそれもあります。

減価償却費を計上する場合の注意点

美容機器の減価償却処理を行う際は、以下の内容に注意してください。

 

【減価償却費を計上する際の注意事項】

  1. 美容機器が中古品の場合は、耐用年数ではなく購入後の使用可能期間を参照する
  2. 減価償却費は、購入した日ではなく事業で使用し始めた日から計算する
  3. 美容機器の修繕費用や交換用の部品の費用は、減価償却の対象にならない
  4. 美容機器が10万円未満の場合は、一括で経費計上できる

減価償却の計上は、購入した美容機器をどのように、いつまで使ったのかで処理の内容が変わるので、簡単ではありません。
ご自身での対応が難しければ、税理士に依頼するのも一案です。

美容機器の耐用年数は5年で、取得価格を減価償却費として計上する必要がある

今回は、美容機器の耐用年数と減価償却の計算方法を解説しました。

 

美容機器の耐用年数は国税庁によって定められており、その期間は5年です。
また、高額な美容機器の取得価格は、減価償却して経費に計上する必要があります。
その際の計算や経理処理は複雑になる可能性が高いので、確実に対応したいのであれば、税理士に相談することをおすすめします。
そのほか、エステサロンの経理処理でお困りの際は、本記事で紹介した内容をぜひお役立てください。

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葉山潤奈さんにMetaLTのご紹介いただきました。

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監修者

カスタマーサポート責任者:小島

NBSへ入社後、エステサロンの勤務から始まり、数々の経験を経て店舗責任者として勤務。
サロンにおいてはサロン売上№1、新規カウンセリング平均成約率95%、お客様指名率№1、アンケート回収率№1など。現在はカスタマーサポート責任者として、オーナー様やサロン顧客様の満足度向上を果たすために様々なサポートを実施中。

▼多数セミナーにも登壇
https://youtu.be/4YTkqzAKdKU

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@nbs_salonsupporter
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