50代で乾燥肌になる原因とスキンケアにおすすめの保湿成分を解説

乾燥肌とは、水分がなくなりカサカサとした肌の質感を指します。一般的に、お肌のコンディションは脂性肌・普通肌・乾燥肌・敏感肌に分けられ、4つのタイプのうち乾燥肌は水分が肌の表面や内部に不足した状態です。
特に50代以降は肌のコンディションが変化し、「普通肌から乾燥肌になった」「乾燥肌だが敏感肌にも近い」といった、肌トラブルが生じることがあります。
この記事では、なぜ50代から乾燥肌が気になるのかについて解説します。50代の乾燥肌に多くみられる悩みの特徴やスキンケアのポイント、スペシャルケアに役立つアイテムも詳しく解説します。
なぜ50代から乾燥肌が気になるのか?
50代から乾燥肌が気になる原因として、肌の水分量や皮脂量の減少が考えられます。水分は肌に潤いを与え、皮脂はバリア機能を果たしています。
角質層のさらに奥にあるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸の減少も乾燥肌の原因です。
肌の水分量の減少
肌の水分量は加齢とともに減少しやすくなります。人間の肌には自然に潤いを保つ保湿機能が備わっていますが、年齢とともに機能が低下し、水分を保持しづらくなります。
人間の肌は複数の層で構成されています。角質層は肌のもっとも外側、表皮に近い場所に存在する層で、ここに水分が保持されていると、外から入るさまざまな刺激を防ぐバリア機能を果たします。しかし、年齢とともに角質層から水分が抜けてくると、肌の弾力が低下し乾燥した状態になります。
角質層には水分以外にも、セラミドなどの水分を留める物質が存在しています。これらの物質も加齢とともに減少するため、水分が不足した状態になります。
分泌される皮脂量の減少
50代から肌が乾燥してくる原因のひとつには、皮脂量の減少が考えられます。人間の肌には一定の皮脂が分泌されていますが、常に一定ではなく年齢とともに分泌量が減少します。
皮脂は水のように蒸発しにくく、肌を覆って水分を押し留める保護膜のような役割も果たします。そのため、皮脂が十分に分泌されていると水分が肌に残り、保湿された状態が維持されます。一方、皮脂量が減ってしまうと肌を覆う膜が薄くなってしまい、水分が逃げやすくなります。
コラーゲンの減少
コラーゲンは、肌の奥に広がる真皮層に存在する物質です。エラスチンと呼ばれる物質とともに肌の土台を形成し、弾力を維持しています。コラーゲンも皮脂と同じように、加齢によって量が不足する成分です。
真皮層のコラーゲンが減ってくると、肌の土台が脆弱な状態になります。土台が不安定な状態になると、肌からは弾力やハリが減っていき、シワやたるみが目立ち始めます。
コラーゲンは水分を保持する機能も担っているため、不足してしまうと肌から水分が不足した状態になります。
関連記事:50代は肌のハリがなくなる?ハリが低下する原因と5つの対処法
エラスチンの減少
エラスチンは、コラーゲンとともに肌の真皮層に広がり、表皮を支える土台として機能している繊維状のタンパク質です。
エラスチンの役割は肌を支えること、肌に弾力や伸縮をもたらすことで、乾燥やたるみに強い肌を保っています。しかし、年齢とともにエラスチンを生成する力が弱まると、コラーゲンとともにエラスチンの量も減ってしまい、真皮層はもろい状態になります。
エラスチンが減ると肌からは弾力や伸縮性がなくなっていき、乾燥やたるみが目立つようになります。
ヒアルロン酸の減少
ヒアルロン酸は、スキンケア成分としても知られている保湿成分の一種です。
人間の肌や細胞間にも天然のヒアルロン酸が存在し、大量の水分を抱え込んで保持する機能を担っています。しかし、ヒアルロン酸は年齢とともに減ってしまうため、肌のうるおいが減って、乾燥しやすい肌の状態へと変化しやすくなります。
ヒアルロン酸は真皮層や角質層の潤いを保ちますが、減少によって真皮層や角質層が水分不足の状態になると、外からの刺激や乾燥に弱い状態となります。定期的に水分を補ってあげなければ、常に乾燥した状態になります。
セラミドの減少
セラミドは、角質層の細胞と細胞の間を埋める細胞間脂質の一種です。肌の内部にある水分を保持する働きがあり、バリア機能を維持する重要な役目も担っています。
このセラミドが減少すると、肌内部の水分が失われやすくなり、バリア機能も失われていくため、外からの刺激に敏感になります。意識的にスキンケアや紫外線対策をしなければ、乾燥肌や刺激に敏感な状態になりやすく、肌トラブルが起きやすくなる可能性があります。
ホルモンバランスの変化
中高年期はホルモンバランスが変化しやすい時期です。女性の場合は女性ホルモンが減少するため、体内の変化が乾燥肌となって現れます。乾燥肌を目立ちやすくする原因のひとつが、エストロゲンと呼ばれるホルモンの減少です。
エストロゲンは、コラーゲンやヒアルロン酸をつくる役割をもつ女性ホルモンの一種です。体内では他のホルモンと相互に機能して健康を維持していますが、肌に対しては水分を保ったりバリア機能を維持したりする役割を担っています。
エストロゲンは更年期の前後で分泌量が減っていきます。ホルモンの変化は自然な変化ですが、肌は乾燥しやすくバリア機能が弱まりやすいため、身体の内側からも対策が必要になります。
50代の乾燥肌に現れやすい悩み
50代の乾燥肌にはどのような悩みがあるのでしょうか。5つの肌悩みについてみていきましょう。
シワが目立つ
50代に入ると、更年期やその他の肌ダメージの影響によって水分量や皮脂量が減少し、乾燥が進行します。角質層の水分量が減ると、目元や口元など皮膚の薄い場所を中心にシワが現れ、小ジワと呼ばれる小さなシワも目立ってきます。
保湿を怠った部分や肌ダメージが大きな部分を中心にシワの定着が進むため、乾燥対策や紫外線対策を普段から十分に行うことが大切です。
たるみが目立つ
中高年期以降は、加齢による体内の老化や機能低下が顔にも現れてきます。顔の奥深くにある表情筋が衰えてくると、皮膚を支えきれずにたるみが発生します。
筋肉よりも表皮に近い真皮層には、コラーゲンやエラスチンといった物質が網目状に広がっていますが、これらの物質も加齢によって少しずつ生成量が減るため、肌を支える力が衰えてきます。
さらに、ヒアルロン酸のような水分を保持する物質が減少すると乾燥した状態になり、顔のハリが失われていきます。顔の内側から老化が進むことで、表面を覆う皮膚が重力にしたがって下垂し、ほうれい線やフェイスラインのたるみが現れます。
毛穴の開きが目立つ
肌の乾燥が続くと、肌の内側にある細胞は弾力を失った状態になります。弾力を失った皮膚は、元のハリのある状態から支えを失い、たるみを引き起こしてしまいます。
皮膚のたるみは、毛穴が元の位置から下垂した状態となり、楕円形に毛穴が広がるため、通常よりも毛穴が広がって見えます。
毛穴自身が大きくなっているわけではありませんが、乾燥とたるみによって毛穴が目立つために、肌のキメが乱れているように感じることがあります。
肌がごわつく
肌が乾燥すると、しっとりとした触感からカサカサ感やごわつきへと変化します。角質層の水分が不足した状態とも考えられますが、古い角質が残ったままで肌にざらつきや厚みが出ると、ごわついた感触になります。
シミやくすみが気になる
乾燥肌はカサつきやごわつきといった触感に加え、肌のターンオーバーを乱す原因にもなります。紫外線のダメージによって生成されたメラニンや古い皮脂などが排出されず、余分な老廃物が肌に残されて肌がくすんだ状態になります。
メラニンはシミとなって定着し、ターンオーバーがうまく行われなければそのまま肌に残ってしまいます。乾燥肌は皮膚のバリア機能が低下した状態のため、紫外線の影響を受けやすくなっている点にも注意が必要です。
50代乾燥肌のスキンケアのポイント
50代からの乾燥肌をスキンケアするためには、しっかりと保湿を行うことが大切です。化粧水・乳液・美容液・クリームなどのアイテムは同じメーカーのものを使い、統一することで肌への余分な負担やトラブルを防ぎやすくなります。
スキンケア以外の方法として、普段からこまめに紫外線対策や保湿を行い、身体の内側からも水分補給をしていきましょう。
ポイント①しっかりと保湿する
50代乾燥肌のスキンケアでは、ケアの回数やタイミングを決めずに、乾燥が気になったタイミングでしっかりと保湿を行いましょう。
保湿をこまめに行うことで肌のバリア機能を維持し、シワや乾燥によるカサカサ感が少ない肌の状態を整えることができます。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は、体内にも自然に存在する成分のひとつです。水分を保持する機能をもち、美容医療などの施術にも使用されています。
ヒアルロン酸を配合したスキンケア製品は、肌に自然な潤いを与えます。刺激の強い成分ではないため、敏感肌の方でも使いやすいとされています。
ナイアシンアミド
ナイアシンアミドは、ビタミンB3の一種です。肌の保湿やバリア機能の強化に貢献し、エイジングケアの成分としても注目されています。
ナイアシンアミドを配合したスキンケア製品には、シワや美白の対策に効果が期待できます。
セラミド
セラミドは、角質層にある細胞のすき間に存在し、水分を挟み込む機能をもつ成分です。
人間の身体に存在する天然の保湿成分で、外から入る刺激から肌を守っています。敏感肌や乾燥肌の方にはセラミドが不足しやすいため、スキンケアで補うと肌の状態が安定しやすくなります。
コラーゲン
コラーゲンは、肌の真皮層に多く存在するタンパク質の一種です。ハリや弾力、潤いなどを保つために重要な成分です。
年齢とともに減少し、乾燥肌の原因になるため、身体の内側と外側から補っていくことが大切です。
レチノール
レチノールは、ビタミンAの一種で肌のターンオーバーなどをサポートしています。古い角質を代謝して取り除き、コラーゲンの生成を助けます。
レチノールを配合したスキンケア製品は、敏感肌や乾燥肌にとって刺激が出る場合もあります。使用上の注意をよく確認しながら、肌タイプとの相性をみて使用するようにしましょう。
ポイント②同じメーカーの化粧品を使う
同じメーカー・シリーズの化粧水・乳液・美容液は、それぞれの製品に含まれている成分が干渉せず、肌になじむように調整されています。しかし、別のメーカーやシリーズの化粧品を組み合わせると、調整されていないために肌への刺激が発生することがあります。
同じメーカーのスキンケア製品は、導入美容液・化粧水・乳液・クリームのような流れで、ステップごとに浸透し保湿を助ける成分が組み込まれるため、スキンケア効果を高めたい方に適しています。
やっていませんか?50代から見直したいスキンケア習慣
50代からは、肌への影響を考えてスキンケア習慣を見直しましょう。ここからは注意したい3つのポイントを紹介します。
夜しかケアしていない
夜だけ洗顔やスキンケアを行っている方は、朝や昼にも適度な保湿を取り入れてみてください。肌が乾燥しやすい50代からは、潤い不足や乾燥を感じたときに、適切なケアを行うことが大切です。
目分量で使用している
好きなタイミングでパックやマッサージ、洗顔をしている場合は、スキンケアのルーティンをつくり、目分量ではなく規則正しくケアを継続することが大切です。
力を入れてマッサージしている
摩擦がダメージになることで、肌のバリア機能を低下させる可能性があります。肌へのマッサージは、摩擦によるダメージを与えない程度にやさしい力加減を意識しましょう。
乾燥肌に効果的なスペシャルケアアイテム
乾燥肌に効果的なスペシャルケアアイテムとして、美容液・シートマスク・美容器の導入もおすすめです。
美容液
フェイスラインのたるみには、リフトアップやハリを高める成分が配合された美容液を取り入れてみてください。
ペプチドやレチノール、ビタミンCやヒアルロン酸といった保湿力の高い成分に注目し、美容液を塗ったあとはやさしくマッサージをして血行を促すことで、たるみの防止や肌へのリラックス効果が期待できるでしょう。
シートマスク
外出先にも持ち運べるシートマスクは、水分の蒸発を防ぐため乾燥対策におすすめのアイテムです。保湿に適した成分が配合されているものを選べば、集中的に潤いを補給できます。
美容器
美容器にはさまざまな機能や特徴をもつものがあり、強力なリフトアップ効果を期待できるものもありますが、乾燥肌や敏感肌の方は刺激を与えないものがおすすめです。
スチーマーのように、肌に軽く浴びるタイプの美容器は刺激が少なく、しっとりとしてハリ感のあるお肌に整えることができます。
50代からの乾燥肌はセルフケアで対策
今回は、50代で乾燥肌が気になる理由と対策方法を紹介してきました。
乾燥肌は保湿の不足だけではなく、更年期によるホルモンバランスの変化や食事・生活習慣や肌へのダメージが原因となる場合もあります。
乾燥が気になったタイミングで保湿やスキンケアを行い、自宅ではシートマスクや美容器を使ったスペシャルケアを取り入れてみてはいかがでしょうか。
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